Chapter3:再生医療による若返り「PRP皮膚再生療法」について
PRP皮膚再生療法とは
PRP皮膚再生療法とは、自分自身の血液から抽出した血小板を多く含む「多血小板血漿(たけっしょうばんけっしょう)」を注入して、皮膚の再生、若返りを図る美容医療です。ヒアルロン酸などのように、物理的にシワの溝を膨らませる治療とは違い、肌の組織そのものを増やし、若返らせることができる治療法です。ゆっくりとした変化なので、周囲の方に気付かれにくいのも特長です。
また、成長因子を加える相乗効果により、“3年以上”の効果も期待できます。
PRPによる治療はすでに第4世代に 再生医療の研究を続けた上で出た最良の配合とは
平野:再生医療におけるPRP治療について教えてください。
鎌倉先生:
PRPとは、Platelet-Rich Plasma(多血小板血漿:たけっしょうばんけっしょう)の略で、血液の中の「血小板」を多く含んでいる成分です。血小板は、人間の体の中で血を止めたり、壊れた血管や細胞を治す働きをしています。
血小板には「成長因子」と呼ばれる、体の細胞を元気にして若返らせる成分があり、この成長因子が放出されることによってコラーゲンの生成や表皮の成長などが促され、くま・くぼみの改善を助けます。

PRP治療の歴史は、もともと歯科領域で行われていたものです。歯の土台が弱ってしまい処置ができない患者様の土台となる骨を再生しようと、他の手法と一緒に自分の血液から採取した血小板を補填したのがはじまりでした。これらの結果が良好だったため、美容医療分野へ転用してきたものなのです。
平野:聖心美容クリニックさんで行っているPRP治療はすでに第4世代と仰っていましたが、どのようなものなのでしょうか。
鎌倉先生:
はい。美容医療分野へ応用されたPRP治療の皮膚再生効果は、血小板の濃度と血小板から放出される成長因子の量に比例しています。医療機関には濃度を高めるための技術はありますが、採取できる血小板の濃度と量は人によって決まっているため、今までは結果に個人差があるものだったのです。 そこで当院では血小板の数や量の個人差に関係なく治療効果をあげる研究と臨床を重ねた結果、PRPの濃縮率を6~10倍程度(従来の3~5倍程度)まで高め、さらに、PRPから放出されるには限界のある線維芽細胞を増殖させるFGFという成分を一緒に入れたところ、良好な結果を出すことに成功しました。 このような研究の結果、PRP治療は段階を経て進化し、現在は最新の第4世代にあたるプレミアムPRP (セルリバイブジータPRP)皮膚再生療法を提供しています。
平野:FGFを組み合わせることとなった背景を教えてください。
鎌倉先生:
FGFは組織の修復力がとても豊かな成分で、特に皮膚の機能を保つ上で最も重要な細胞である線維芽細胞を増殖させる成分です。
ただし、FGF単品の作用はまれにふくらみ過ぎるリスクがあります。それくらい力のある成分ですが、実はPRPにはホメオスタシスというFGFの力強い増殖の働きを抑えようとする動きがあり、お互いを補うという相乗効果が皮膚の中で生まれます。
結果、細胞への効果は最大に、見た目の効果は自然にという調和がとれる組み合わせなのです。従来のPRPでは残念ながら効果を実感できない方もいましたが、PRPとFGFを組み合わせたプレミアムPRP皮膚再生医療法ではほぼ全例で症状の改善が実感できるようになりました。
平野:最後に読者へメッセージをお願いします。
鎌倉先生:
美容医療で提供されている治療メニューの多くは対象となる症状が必ずしも病気ではないものの、異物を使うことはやむをえないという考えがありました。
ただ今の時代、病気に対しても異物を使用せずサプリメントなど自然治癒力を応用した予防医学(病気を未然に防ぐ)という傾向があります。ならば、美容医療分野においても極力異物を使わない方向に向かう必要があると考えます。
自分の細胞を使って綺麗になったほうが見た目も自然であり、リスクも大幅に軽減する。これは患者様も望んでいることではないかと考え、当院は再生医療に最も力を入れてきました。結果、当院で行ってきた再生医療、特にセリューション豊胸術は世界でもダントツの症例数と知識を持っております。これからも常に最前線で美容再生医療を提供していきたいと思っておりますので、ぜひカウンセリングだけでもお気軽にいらしていただければと思います。
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編集後記
個人的にも注目している再生医療。確かに、自分の細胞を使うので異物を入れるより安心ですよね。今回の鎌倉先生のお話は、なぜそれができあがったのかという歴史や長年の研究や経験でうまれた根拠のあるお話がきけてとても勉強になったとともに、納得することができました。やはり第一線で研究されている医師の元に行くのが一番いいと確信しています。
聖心美容クリニック
「患者さまのために、高品質な美容医療を」 1993年、福岡県にて「聖心美容外科」として誕生。技術・体制・設備・おもてなし、全ての面において常に最高のものを目指し、今では日本有数の症例数をもつリーディングクリニックのひとつに。
そして2014年1月1日、「聖心美容クリニック」へ改称。美容再生医療を含むあらゆる医療を提供する総合美容クリニックとして、これからも最良の治療をお届けいたします。
統括院長 鎌倉 達郎医師
経歴:
1989年 宮崎医科大学医学部卒業
九州大学生体防御医学研究所附属病院
(現・九州大学病院別府先進医療センター)勤務
1990年 九州大学医学部附属病院
(現・九州大学病院別府先進医療センター)勤務
その後大手美容外科に5年間勤務し、その間福岡院の院長を歴任
2000年 優れた実績を評価され聖心美容外科に招聘
東京院副院長就任
2001年 福岡院院長就任
2003年 聖心美容外科東京院院長就任
2004年 聖心美容外科統括院長就任
2011年 上海院での診療開始

資格・所属:
日本美容外科学会(JSAPS)会員
日本美容外科学会(JSAS)専門医
日本美容外科学会(JSAS)会員
日本美容外科医師会会員
日本形成外科学会会員
日本外科学会認定医
日本外科学会会員
日本臨床抗老化医学会会員
日本再生医療学会会員
INAMED ACADEMY認定医
Corneal社公式認定医(日本第1号)
オバジスキントランスフォーメーション認定医
マクロレーン™認定医
レスチレン認定医
日本臨床医学発毛協会認定 発毛診療指導認定医

美容医療を通じて、世の中の多くの人々に生きる喜びと楽しさを提供したいというのが究極のミッションだと考えています。 綺麗になること、若返ることはその人の人生の質を高めるためであって、美容医療を受けることが目的であってはならないと思います。
綺麗になったり、若返ることでその先にある人生が楽しくなったり、いきいきと輝いて見えるようになった、 そんな声を聞けることが自分にとって何よりのご褒美だと考えて、日々の診療に取り組んでいます。 それから、その方に合った最適の方法を提案をすることを心がけています。