多汗症手術の後遺症とは?知っていてほしい症状やリスクをご紹介します!

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《目次》 ・酷い汗が多汗症手術で治った!…と思ったら後遺症が? ・多汗症の手術方法①胸腔鏡下交感神経切断術(ETS) ・多汗症の手術方法②反転剪除法(はんてんせんじょほう) ・多汗症の手術方法③皮下組織吸引法 ・多汗症の手術方法④皮膚切除法 ・多汗症の手術方法⑤超音波法 ・多汗症の手術方法⑥皮下組織削除法 ・多汗症の手術方法⑦皮下組織掻爬法(ひかそしきそうはほう) ・多汗症の手術方法⑧ミラドライ ・多汗症の施術方法⑨ボトックス注射 ・多汗症の手術後の後遺症①代償性発汗 ・多汗症の手術後の後遺症②ほてり、熱がこもるような感覚 ・多汗症の手術後の後遺症③自律神経失調症 ・多汗症手術は後遺症もきちんと考えたうえで慎重な判断を!

酷い汗が多汗症手術で治った!…と思ったら後遺症が?

自分が想定している以上に汗をかきすぎてしまう多汗症。基本的に手術以外では根治は難しいと言われています。しかし失敗すると後遺症が出る可能性もあり、慎重に決断することが大切です。今回は、多汗症手術後の後遺症について見ていきましょう。

多汗症の手術方法①胸腔鏡下交感神経切断術(ETS)

多汗症は交感神経が活発化が原因であるため、それを遮断することで根治できます。比較的多く行われるのが手の平の発汗で、効果的なのが胸腔鏡下交感神経切断術(ETS)です。 ETSでは、皮膚を数ミリほど切開して内視鏡を挿入し、交感神経を遮断します。モニター画面を見ながら行うため、交感神経を確実に遮断することができます。 事前の精密検査が必要で、費用は5,000円~6,000円です。手術費用は90,000円~10万円です。その手術は健康保険の適用内であり、3割負担となります。

多汗症の手術方法②反転剪除法(はんてんせんじょほう)

脇の下の皮膚を3cm~5cm程度切開し、皮膚を裏返して汗腺を一つ一つ目で確認しながら取り除いていきます。視認しながら汗腺を除去できるため、80%~90%の確率で多汗症を改善させることができます。主に脇の多汗症に効果的です。 ワキガを引き起こすアポクリン汗腺は、除去することでほぼ再生することはありませんが、この症状を引き起こすエクリン汗腺は再生することもあります。 費用は、保険適用になる場合もあり、3割負担で30,000円~35,000円程度となります。

多汗症の手術方法③皮下組織吸引法

脇の多汗症で利用される手術方法で、現在でも採用するクリニックは多いです。 脇の下の皮膚に穴を開け、そこからカニューレを呼ばれる細い管を挿入します。そして皮下組織にある汗腺をカニューレの穴から吸引して取り除きます。 脇の下のエクリン汗腺と一緒にアポクリン汗腺も除去できることから、ワキガ治療でも広く利用されています。ただし、直接目で確認しながら汗腺を取り除けないため、剪除法よりも再発率が高くなります。 費用は、保険適用外となり15万円~20万円程度と高額になります。

多汗症の手術方法④皮膚切除法

脇の下の皮膚をすべて切除する手術方法で、脇の多汗症・ワキガに効果的です。脇の下の皮膚をすべて除去するため、エクリン汗腺・アポクリン汗腺・皮脂腺を一緒に取り除くことができます。 切除範囲が広範囲に及ぶため、切除後は周辺の皮膚を寄せ集めて縫合する必要があり、傷跡が大きく残ります。 また、術後のダウンタイムが非常に長くなるため、日常生活にも支障をきたす場合があります。 費用は、保険適用外が多く、30万円程度かかります。クリニックによっては保険適用となることもあります。

多汗症の手術方法⑤超音波法

クリニックによっては、超音波吸引法・超音波メス法とも呼ばれる方法で、脇の下に超音波を照射し、エクリン汗腺やアポクリン汗腺を破壊して除去する術式です。 2つの汗腺を破壊できるため、ワキガ治療にも広く利用されています。 脇の下に穴を開け、数mm程度の管状の超音波発生器を挿入します。超音波の振動で汗腺を破壊し吸引器で壊死した皮下組織全部を吸い取ります。多汗症の場合、広範囲に及ぶとすべてを除去できない場合があります。 保険適用内となるクリニックもあり、3割負担で約50,000円です。

多汗症の手術方法⑥皮下組織削除法

キューレットと呼ばれる、特殊なローラーが付いたハサミ状の専用器具を使用して行う術式で、この専用器具で皮下組織を掻き取っていきます。近年では、皮下脂肪と真皮を均一の厚さを削除することができるイナバ式皮下組織削除法が開発されており、日本医師会より最高優功賞が与えられています。 脇の下の皮下組織を一度に除去できるため、ワキガ治療でも広く使用されています。皮下組織削除法はクリニックにより保険適用になりますが、イナバ式は適用外が多く、25万円~35万円程度かかります。

多汗症の手術方法⑦皮下組織掻爬法(ひかそしきそうはほう)

皮下組織削除法と同じようなスプーン状のキューレットという専用器具を使って行う術式で、汗腺と皮脂腺を一度に掻き出すことができます。この術式も、ワキガ治療にも採用されています。皮下組織掻爬法の進化版が、イナバ式とも言われています。 切開範囲が小さいためダウンタイムも短くて済みますが、汗腺を直接目で確認できないため汗腺を取り残してしまう場合があります。 手術費用は、保険適用外となるとことがほとんどで、30万円程度の費用が掛かります。

多汗症の手術方法⑧ミラドライ

切らない多汗症・ワキガ治療として今注目されている術式の一つです。マイクロ波という特殊な波長を皮膚の上から照射し、その熱で汗腺を破壊します。 マイクロ波は、皮膚の上から照射しても皮膚にダメージを与えにくく、効果的にエクリン・アポクリン汗腺を熱破壊させることができます。破壊された汗腺は、再生率が低いため半永久的に効果を持続できます。 皮膚にメスを当てないため、ダウンタイムが非常に短く、施術後すぐに日常生活に戻れます。 施術費用は、保険適用外となり35万円程度かかります。

多汗症の施術方法⑨ボトックス注射

ボトックス注射は、症状を抑える目的の施術法です。1回の施術で約3ヶ月~6ヶ月程度しか持続せず、定期的に施術を受ける必要があります。 軽度の多汗症の方に有効で、汗が出やすい部位に薬剤を注射することで、エクリン汗腺の活動を抑制させて汗の分泌を抑えます。薬剤の成分は、ボツリヌス菌から抽出したボツリヌストキシンという成分です。 施術費用は、2012年から重度の治療での使用に関しては保険適用となっており、3割負担で30,000円前後、適用外では50,000円~10万円となります。

多汗症の手術後の後遺症①代償性発汗

胸部交感神経切除術(ETS)を受けた場合に起こる後遺症で、95%以上の確率で起こるとされています。 交感神経を切断することで、施術を行った部位からの汗はピタリと出なくなりますが、その分ほかの部位(腹部・背中・太ももなど)から発汗が起こるようになります。これを代償性発汗といいます。 ETSを受けた方の中には、「背中からの汗がひどくなり、洋服が濡れてしまう」「こんなことならETSを受けなければ良かった」など、手術を受けたことを後悔する方も少なくないようです。

多汗症の手術後の後遺症②ほてり、熱がこもるような感覚

ETSや反転剪除法などを受けた場合に起こる後遺症で、代償性発汗と同様に多くの方が悩んでいます。 何もしなくても体がのぼせたような感覚になり、真夏などの気温が高い日には特にだるさが強まります。真夏は通常でも熱中症の危険性がありますが、ほてりなどの後遺症がある方は、特に熱中症のリスクが高まるため注意が必要です。 体の一部だけに熱がこもったような感覚を受ける場合もあり、体の部位によって温度差を感じて戸惑ってしまうが人もいます。

多汗症の手術後の後遺症③自律神経失調症

多汗症の原因の一つに、汗の分泌を司る交感神経の活発化がありますが、交感神経が活発になってしまうのは自律神経のバランスが崩れるからです。自律神経失調症は常に自律神経が乱れた状態であるため、手術箇所の汗が止まっても、他の部位から過剰分泌してしまう可能性があります。 現代医学において、自律神経失調症を根治させることは困難とされているため、この後遺症が出てしまうと日常生活にも支障をきたす可能性が高く、大きな代償を得てしまったと言えます。

多汗症手術は後遺症もきちんと考えたうえで慎重な判断を!

多汗症を改善させるための手術法はいくつかありますが、術式により健康保険が適用になる場合と適用外になる場合があります。 また、手術で症状が改善されたとしても、後遺症に悩まされるケースが多いため、その点も含めて慎重に検討する必要があります。

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