Chapter2:再生医療による豊胸術(セリューション豊胸)について
脂肪組織由来幹細胞豊胸術(セリューション豊胸術)とは
お尻や太ももなどから脂肪を抽出し、胸に注入することでバストアップをはかる豊胸術です。セリューション豊胸術では、通常の脂肪に加え、これから脂肪細胞や血管の細胞となる「脂肪組織由来幹細胞」を同時に注入するのが最大の特徴です。
「幹細胞」は、新しい血管や細胞などに変化することができる細胞です。これにより、従来の脂肪注入法による豊胸術以上に「長期間」「安全」にバストアップ効果を持続させることが可能になります。注入量の70〜80%程度を残すことも可能だというデータも示されており、今後に注目が集まる豊胸術だといえます。

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最先端の再生医療で豊胸術のリスクを大幅に軽減
世界一の症例数を誇る幹細胞豊胸術(セリューション豊胸術)の秘密に迫る。
平野:聖心美容クリニックで行っている豊胸術の再生医療「脂肪組織由来幹細胞豊胸術(セリューション豊胸術)」について詳しく教えてください。
鎌倉先生:
当院の幹細胞豊胸術(セリューション豊胸術)は、セリューションというシステムを使って脂肪から幹細胞を抽出し、活性度を高めてから脂肪と混ぜて注入する “幹細胞豊胸術”です。当院では、これを2007年から本格的に取り組んでいます。
そもそもセリューションシステムを使うことになった経緯をお話します。
元々はセリューションシステム自体を研究しているアメリカのバイオベンチャー企業のトップドクターが所属していたUCLAチームが、皮下脂肪から非常に多くの幹細胞がとれるというデータを報告したところから始まりました。
日本では乳がん患者様の外科手術後の変形に対しセリューションシステムをもちいて乳房変形の再生・再建を行った治療が初めて行われた治療です。実は私もここの乳房再建プロジェクトに最初から参加しています。
その研究結果とともに幹細胞を使った治療の普及と臨床が加速していき、治療のベースとなるエビデンス(根拠)が非常に豊富にとれたため、のちにセリューションシステムをもちいた豊胸術が一番患者様にとっていいものだと確信し、美容医療分野での豊胸術でも提供することになりました。
ちなみにセリューションシステムの機器は当グループだけでも9台導入しています。
特にヨーロッパでは導入実績の多い機器ですが、日本でこのように多くのセリューションシステムを導入しているのは当グループだけでしょう。
平野:活性型の幹細胞をもちいた豊胸術のメリットはどのようなものになりますか?
鎌倉先生:
バストアップ効果の長期持続・しこり防止には活性型の幹細胞が必要不可欠です。幹細胞の効果は、脂肪のみを注入した場合と比較して、注入121日後には約5倍も高いことが研究でわかっています。
(デンマークCopenhagen大学病院のStig-Frederik Trojahn Kolle氏らが、Lancet誌2013年9月28日号で発表)
そして、この働きが活発な幹細胞を抽出できるのがセリューションシステムです。
では、なぜ活性型の幹細胞が必要なのかを説明します。
実際体内に入った時に、幹細胞は次のような働きをします。
・様々な細胞を活性化させるグロースファクターを放出する
・線維芽細胞に刺激をあたえコラーゲンを増やしてくれる
・血管を増やしてくれるシグナルを出す
・脂肪細胞・心筋・筋肉・軟骨・血管などいくつかの細胞に分化する
実は、脂肪細胞が体内に入った時に虚血状態となり細胞が死んでしまうことで「しこり」は生じます。ですので注入する前に少しでも早く虚血の状態から回避することが「しこり」の発生防止には非常に大切なのですが、この大事な役割を果たしてくれるのが活性型の幹細胞なのです。
しかし、単に幹細胞だけを抽出できればいいかというとそういうわけでもありません。
脂肪細胞は採取した時点で脂肪以外にも水分や血液、死滅細胞などの不純物が含まれています。バストアップ効果を持続させるためには、不純物を取り除き、脂肪細胞の質と濃度を高めることが重要です。
また脂肪細胞の中には血管内皮細胞、脂肪前駆細胞(未成年の細胞)などいろんな細胞が混在しており、これらを総称して「間質血管細胞群(SVF)」と呼びますが、これら全てが‘生きた状態’で含まれることが必須となります。
セリューションシステムから抽出した幹細胞の働きは、乳房内の血流を豊富にさせるため栄養がバスト内に行き渡ります。そして、脂肪が虚血になることなく酸素や栄養を供給します。

このようなことから結果的に、しこりなどのリスクを軽減しバストアップ効果を最大限に引き出すためには、セリューションシステムを使わないという選択肢はないのです。
平野:幹細胞豊胸術(セリューション豊胸術)に適していない人はいるのでしょうか?
鎌倉先生:
幹細胞豊胸術(セリューション豊胸術)は注入すべき脂肪細胞自体の量以外に、幹細胞を抽出する脂肪量が必要になります。
目安としては身長が158cm以上、よほどの筋肉質でなければ体重45kg以上であればほぼ可能です。それ以下ですと体から脂肪をどれだけ採取できるかの判断になりますので、カウンセリングで診断させていただいています。
平野:これから豊胸治療を検討している患者様にメッセージをください。
鎌倉先生:
当院の幹細胞豊胸術(セリューション豊胸術)は見た目の仕上がりも感触も至って自然に仕上がり、従来の豊胸におけるリスクを軽減できることが特徴です。当院でお受けいただいた初めての患者様や元々バッグを入れていて脂肪注入に変更される患者様にも、大変ご満足いただいています。
しこりの発生率はいずれも皆無にはならず2%くらいありますが、一般的なものや従来のものより極めてしこりのリスクを抑えられるのが当院のセリューション豊胸術です。
冒頭にもお話しましたが、乳房再建プロジェクトに参加した時代からセリューションシステムを使った乳房再建を含む臨床を長年重ねており、豊胸の症例数は世界でもダントツの症例数を持っています。さらにこれまでの症例の中で、重篤な合併症は1件も経験したことがありません。セリューションシステム自体を他院であまり見かけないのは機器自体が高額ということもあります。ですが、他分野でも信頼される治療機器が美容医療分野でも同等に使われているということが大事だと思っており、これが患者様への信頼と実績になるのだと考えています。
聖心美容クリニック
「患者さまのために、高品質な美容医療を」 1993年、福岡県にて「聖心美容外科」として誕生。技術・体制・設備・おもてなし、全ての面において常に最高のものを目指し、今では日本有数の症例数をもつリーディングクリニックのひとつに。
そして2014年1月1日、「聖心美容クリニック」へ改称。美容再生医療を含むあらゆる医療を提供する総合美容クリニックとして、これからも最良の治療をお届けいたします。
統括院長 鎌倉 達郎医師
経歴:
1989年 宮崎医科大学医学部卒業
九州大学生体防御医学研究所附属病院
(現・九州大学病院別府先進医療センター)勤務
1990年 九州大学医学部附属病院
(現・九州大学病院別府先進医療センター)勤務
その後大手美容外科に5年間勤務し、その間福岡院の院長を歴任
2000年 優れた実績を評価され聖心美容外科に招聘
東京院副院長就任
2001年 福岡院院長就任
2003年 聖心美容外科東京院院長就任
2004年 聖心美容外科統括院長就任
2011年 上海院での診療開始

資格・所属:
日本美容外科学会(JSAPS)会員
日本美容外科学会(JSAS)専門医
日本美容外科学会(JSAS)会員
日本美容外科医師会会員
日本形成外科学会会員
日本外科学会認定医
日本外科学会会員
日本臨床抗老化医学会会員
日本再生医療学会会員
INAMED ACADEMY認定医
Corneal社公式認定医(日本第1号)
オバジスキントランスフォーメーション認定医
マクロレーン™認定医
レスチレン認定医
日本臨床医学発毛協会認定 発毛診療指導認定医

美容医療を通じて、世の中の多くの人々に生きる喜びと楽しさを提供したいというのが究極のミッションだと考えています。 綺麗になること、若返ることはその人の人生の質を高めるためであって、美容医療を受けることが目的であってはならないと思います。
綺麗になったり、若返ることでその先にある人生が楽しくなったり、いきいきと輝いて見えるようになった、 そんな声を聞けることが自分にとって何よりのご褒美だと考えて、日々の診療に取り組んでいます。 それから、その方に合った最適の方法を提案をすることを心がけています。