「10年前に入れた豊胸バックが破損した!」豊胸バッグは中身が漏れ出ても安全なの?

確実なサイズアップや、長期的にサイズを持続することが期待できることから今も根強い豊胸術といえばやはり人工乳腺法(豊胸バッグ挿入)の挿入です。しかし、豊胸バッグはもともと人体には無い異物を挿入するということです。では、万が一バッグが破損・劣化して中身が漏れ出てしまった場合、人体には影響があるのでしょうか?現在扱われている主要なバッグとその中身について、破損した場合の影響を解説します。

《目次》
・現在扱われている主な豊胸バッグの種類と特徴
・フランス製の豊胸バッグでガンを発症!?
・安全性を見極める確かな方法
・まとめ



現在扱われている主な豊胸バッグの種類と特徴


豊胸バッグの分類にはいつくかの方法がありますが、今回は破損した場合の身体への影響をお伝えすることが目的なので、「内容物(中身の素材)」について分類します。
現在、美容外科クリニックで主に使われている豊胸バッグの中身は下記の4種類です。

●シリコンジェルバッグ(シリコンジェル)
豊胸バッグの素材としては最も古くから使われているものの一つです。但し、1990年代には、破損や変形、内容物が漏えいした場合の健康被害が問題視されるようになり、使用機会は大きく減りました。

●生理食塩水バッグ(生理食塩水)
生理食塩水とは、人の血液と同じ浸透圧に調整された代用血液です。医療現場はもとより、家庭用コンタクトレンズの液にも利用されいるなど人体に対しての安全性が高い素材です。但し、液体なのでバストの形を形成することや、触り心地などの点で豊胸バッグとして利用には課題が無いわけではありません。

●コヒーシブシリコンバッグ(コヒーシブシリコンジェル)
それまでのシリコンジェルの課題や問題点を改良して作られた豊胸バッグです。中身のシリコンの凝集率を高めることで、万が一バッグが破損しても中身が漏れ出てしまうことがありません。また、形や触り心地、感触としても自然なバストに近い仕上がりが期待できる素材だとされています。

●CMCジェルバッグ(CMCジェル)
CMCジェルバッグは、身体への悪影響の可能性が指摘されており、フランス・イギリスでは使用・販売が禁止されています。またFDA(米国食品医薬品局)でも未認可となっています。

フランス製の豊胸バッグでガンを発症!?


2011年12月23日、フランス保健省(日本でいう厚生労働省のような機関)は、豊胸バッグ製造大手であるPIP社が製造した豊胸バッグが体内で破損する恐れがあるとして、使用者に対してバッグの抜去手術を受けるように勧告しました。また、PIP社が製造した豊胸バッグには医療用ではない素材が使われていたことなども発覚し、内容物の漏えいによる発がん性を指摘する声も挙がっています。
いくつかの国が発表している見解は、「他製品と比べ発がんリスクが高いわけではない(フランス)」「安全上の問題があるとの証拠はない(イギリス)」となっています。日本では、フランス保健省の発表内容を踏まえて、厚生労働省医薬食品局が日本美容整形学会をはじめとした関係学会に対して情報提供を行ったとされています。

※但し、PIP社製のバッグの破損による発がん性を示すデータや根拠は得られませんでした(2016年11月16日現在)

安全性を見極める確かな方法


日進月歩で新たな技術や素材が開発される中、医療に素人である私たち一般消費者が本当に信頼できる素材を選ぶのは至難の業です。そんな時、安全性を確認するのに役に立つのが「FDA」や「CEマーク」など各国・地域の承認を得ているかどうかです。

FDAとは、アメリカ食品医薬品局のことで、日本における厚生労働省のような機関です。FDAは、食品や医薬品、化粧品、医療機器などの承認や、違反品などの取り締まりを行っており、豊胸バッグもその管轄となります。つまり、FDAの許可を取っているかどうかは、国の公的機関が安全性を認めているかどうかと考えていいでしょう。
CEマークは、EU加盟国の基準(安全性等)を満たすものに付けられる基準適合マークです。FDAのヨーロッパ版の様なイメージですね。

一般的にはFDAやCEマークが与えられた商品であれば、一定の安全性が保障されていると考えてよさそうです。

なお、現在国内で多く流通している「Establishment Labs社」「ALLERGAN社」「Mentor社」が製造している豊胸バッグの多くは、FDA/CEマークのいずれかまたは両方の基準を満たしている様です。

まとめ


現在主に使用されているバッグにおいては、万が一破損してしまったとしても直ぐに健康上の被害を心配する必要は高くなさそうです。ただ、破損によるバストの変形が起こる可能性は十分にありますし、今後の研究やデータによって、安全性を脅かす情報が出てこないとも限りません。

過去入れた豊胸バッグの破損や劣化など、何か心配な症状があればすぐに医療機関でご相談されることをお勧めします。ただし、豊胸バッグの抜去や修正は決して簡単な手術ではありません。もしも、クリニック・医師探しにお困りのことなどあれば美容医療相談室までご相談ください。現在の症状やご希望の地域などをお伺いした上で、医療機関・医師の情報をご案内させていただきます。